過去の解説については、以下のリンクからどうぞ。
今日は、技術・人文知識・国際業務と特定活動46号について解説していきます。
3 在留資格「技術・人文知識・国際業務」
(1) 在留資格「技術・人文知識・国際業務」は、大学(大学院・専門学校を含む)を卒業した人が、大学で学んだ知識を生かして日本で働く場合(技術・人文知識)や、通訳・翻訳・貿易などの国際的な業務(国際業務)を行う場合に付与されるものです。
例えば、大学で経営学を学んだ人が日本の企業で経営に携わる場合や、専門学校でプログラミングを学んだ人がプログラマーとして働く場合等に付与されます。
したがって、飲食店でも外国人を経営者やプログラマーとして雇用する場合は、当然付与されます。また最近では海外進出する飲食店も多いことから、海外進出要員として雇用する場合等にも付与されます。
(2) しかしながら、飲食店で在留資格「技術・人文知識・国際業務」で外国人を雇用する場合には注意しなければならない点があります。
先述したように「技術・人文知識・国際業務」は、大学で学んだ知識を生かして働く場合に付与される在留資格ですから、大学で学んだ知識を用いない業務を行うことはできないのです。すなわち、接客や調理といったホール業務を行うことは基本的に認められていません。
ところが、ホール業務をさせる目的で「技術・人文知識・国際業務」の申請をする外国人が後を絶ちません。一時期人材不足に悩まされた飲食店でこのように悪用するケースが多かったのですが、現在では特定技能制度ができたため飲食店で働く外国人に対して「技術・人文知識・国際業務」が付与されることは難しくなっています。
当事務所でもたまに相談を受けますが、ホール作業をさせる場合には、特定技能か後述する「特定活動46号」をお勧めしています。「技術・人文知識・国際業務」の外国人に専らホール作業をさせることは不法就労にあたり書雑される可能性もあるのでやめるようにしてください。
(3)飲食店で本当に幹部候補生や海外展開要員として大卒の外国人を雇用するには具体的には以下の点に気を付けながら書類を作成することになります。
① 事業体の規模 申請人の予定する業務量がどれくらいあるのか?
② 海外展開の準備がどれくらい進んでいるのか?海外との取引があることを証明する資料
③ 大学で学んだことと予定する業務との関連性
④ 事業計画についての説明
等です。具体的にどのような書類を準備するかは、それぞれのケースによって異なるため、それぞれの行政書士の腕の見せ所になります。外国の法律を調べたり、翻訳文を作成したりすることもあるため、場合によっては資料の量が膨大になったりもします。
4 在留資格「特定活動46号」
(1)先ほど、在留資格「技術・人文知識・国際業務」では、接客・調理などのホール作業ができないということをお話ししました。一方で在留資格「特定技能」では基本的に接客・調理などのホール作業しか行わせることができません。最近では外国からの観光客も増え、日本の飲食店を外国人が利用するケースも増えてきました。そうすると問題となるのが言葉の問題です。通訳も兼ねたホール従業員が必要というケースも増えてきています。また、外国人従業員に対して研修を行う必要性も増えてきています。しかしながら、先ほど説明した「技術・人文知識・国際業務」や「特定技能」では、通訳とホール作業の両方の業務を満たす活動ができません。そこで、認められた在留資格が「特手活動46号」です。
(2)特定活動46号は、日本の大学(専門学校は含まない)を卒業した外国人で、日本語検定能力1級相当の日本語能力を持っている場合で、大学で得た知識と関連する業務を行う場合には、特例としてその言語能力を生かした現業(例えばホール業務)を行ってよいとする在留資格です。
飲食店で例えると、各店舗で接客をしながら通訳も行うことや、さらには大学で学んだ経営学の知識を生かし経営に参画したり、海外展開の出店準備を行うこともできます。経営者にとっても、外国人にとってもかなり便利な制度になっています。
さらには、特定活動46号は令和6年2月に認められる範囲が広くなりました。従来は日本の大学を卒業した外国人しか認められていなかったのが、「認定専修学校専門課程」を卒業した「高度専門士」について認められるようになりました。また、短大や「専門士」についても、「独立行政法人 大学改革支援・学位授与機構」の学位授与試験に合格すれば、認められるようになっています。
当事務所では許可の実績があります。
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