• 飲食店が外国人を雇用する場合       ~ 在留資格 「留学」編~

    最近、少子高齢化の影響なのか、日本人アルバイトを募集しても人が集まらないので、外国人を雇用したいという相談をよく受けます。また、政府は観光庁を立ち上げ、外国からの観光客を招き入れ、観光立国を目指していますが、この外国人観光客を売上に取り入れる場合には、複数言語ができる外国人を雇用することも一つの方法です。

    しかしながら、外国人を雇用する場合に問題となるのが法律です。日本では、外国人は自由に働くことはできず、在留資格によって就労できる職種が制限されています。もし、飲食店で就労できない在留資格を持った外国人を雇用した場合、経営者は不法就労助長罪(入管法73条の2)で処罰される可能性もあるので注意が必要です。とはいっても入管法なんてマイナーな法律の知識を一般の経営者が持ち合わせているわけもなく、外国人雇用に二の足を踏んでしまうことも多々あります。そこで、どのような在留資格であれば雇用できるのか、また雇用する場合の手続きはどのように行うのか、一般の方でもわかりやすく説明してみようと思います。

    1 留学

    (1)外国人留学生が保有している在留資格です。飲食店で働いている外国人が保有している在留資格で最も多いものと言えます。

    在留資格「留学」を保有している留学生は、日本に学問を修めるために来ているのですから本来ならば働くことはできません。

    しかしながら、日本は先進国であり物価も高いため生活することが大変です。そこで、資格外活動許可(包括許可)を取得すれば、一定時間(週28時間まで、夏休みなどの長期業時には1日8時間まで)自由に就労することが認められています。

    ここで、資格外活動の包括許可とは、働く会社を移る場合にいちいち入管の許可を得る必要はありませんという意味です。資格外活動許可を得る場合、原則的には働く会社や業務ごとに許可を得る必要があります。これを個別許可といいます。

    例えば、Aという居酒屋よりもBという居酒屋のほうが時給が良いので転職したいと考えたとします。個別許可の場合、Bという店舗で働く事ができるか入管に資格外活動許可申請を行わないといけないのです。留学と家族滞在以外の在留資格で資格外活動を行おうとした場合はこの個別許可になります。包括許可の場合はBという店舗に転職しようとする場合に、いちいち入管の許可を得る必要がありません。この包括許可を取得している留学生であれば、就労時間に制限はありますが自由に雇用することができます。

    また就労できる業務についても制限がありませんから、日本人アルバイトなどと同じ感覚で、ホールスタッフ、調理場、経理、通訳などすべての業務をさせることができます。

    (2)注意点

    このように、比較的自由に雇用することができる留学生ですが、雇用するにあたって注意する点もあります。

    ① 資格外活動許可を取得しているかどうか確かめること。

    留学生ならば、誰でも資格外活動許可(包括許可)を取得しているのかというとそうではありません。資格外活動許可を取得するには資格外活動許可申請を行う必要があるのです。まれにですが、日本に来て間もないために資格外活動許可申請を忘れている留学生や、過去に資格外活動をやりすぎて資格外活動許可が取り消されたり、許可をもらえない留学生も存在します。資格外活動許可(包括許可)を取得している留学生は在留カードの裏面に「原則:週28時間以内・風俗営業の従事を除く」とスタンプが押してありますので、ここを確認してください。もし、スタンプが押してない場合は、入管で許可をもらってくるように伝えてください。申請に必要な書類は申請書1枚ですから、簡単に取得できます。

    ② 風営法上の許可業種は雇用できない。

    風営法上の許可業種とは、例えば、スナック、キャバレー、パチンコ、ファッションマッサージ、特殊浴場などを言います。これらの業種は、資格外活動許可の対象外とされているので、雇用することはできません。もしこれらの業種で働いていることが当局に発覚すると、在留資格の取り消しの対象となり、退去強制になる可能性が出てきますので、ご注意ください。

    ③ 他のアルバイトの状況についても確認する。

    留学生は複数のアルバイトを掛け持ちしていることが通常です。資格外活動許可(包括許可)の就労時間の制限は、1つの店舗での就労時間の制限ではなく、アルバイト全体の就労時間の制限です。例えば、A店舗で週20時間、B店舗で週10時間働いていた場合、それぞれの店舗では週28時間を超えていませんが、合計時間は週30時間と週28時間を超えているので、資格外活動違反となります。他のアルバイト状況も確認した上で、アルバイト時間が週28時間を超えそうならば、雇用しないと言う選択をしてあげたほうが留学生のためです。留学生は週28時間という制限を超えて働いてしまうと在留資格の取り消しの対象となり、本国に強制的に帰国させられてしまうことになります。とくに最近ではマイナンバー制度が導入され、どこからいくらの収入があったのか、入管当局も把握しやすくなっています。従来だったらバレなかったケースがバレて強制帰国となる留学生も増えています。

    ④ 労働基準法・税法を守ること

    アルバイトと言っても労働者です。日本人労働者を雇うのと同じように、最低賃金を支払うこと、労災保険に加入すること、源泉徴収を行うこと、社会保障費を徴収することなどが必要になります。

    外国人を雇用する上でわからないこと、相談したいことがあれば、ぜひ行政書士青崎法務事務所へ。初回相談(1時間まで)無料

    電話 092-402-2485

    Mail info@itsuroh aosaki

    住所 福岡県糟屋郡志免町御手洗2丁目1番2-303号


  • 帰国困難者への在留資格の取り扱い

    出入国在留管理庁より、帰国困難者に対する在留諸申請の取扱いが変更になる旨アナウンスがされました。

    新型コロナ感染症のために帰国が困難だった外国人については、特例をもって、主に「特定活動」や「短期滞在」で在留することが認められてきましたが、6月30日を境に扱いが変わります。ご注意ください。

    詳しくはこちらをご覧ください。


  • 緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金

    緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金の詳細が経済産業省より発表されています(2021年3月8日現在)。

    この一時支給金は、2021年1月に発令された緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛により、売上が50%以上減少した中小企業・個人事業者へ支給されるものです。

    詳細は、経済産業省のHPで確認いただくとして、以下概要を説明いたします。

    申請期間 

    2021年3月8日~2021年5月31日

    条件  

    ① 緊急事態宣言に伴う飲食店時短営業または外出自粛等の影響を受ていること

    ② 2019年又は2020年比で、2021年1月、2月又は3月の売上が50%以上減少していること

    給付額

    2019年又は2020年の対象期間の合計売上ー2021年の対象月の売上×3ヶ月(但し、中小企業は60万円、個人事業者は30万円を上限とする)。

    登録確認機関

    不正受給を防止するために登録確認機関による事前確認が必要です。弊所は登録確認機関です。

    詳細については、経済産業省HPで確認してください。

    経済産業省新型コロナ感染症対策特設HP

    一時支援金事務局HP


  • 金融商品取引業者向けの総合的な監督指針

    金融庁より金融商品取業者向けの総合的な監督指針(令和2年5月)が発表されています。下記ホームページより御覧ください。

    https://www.fsa.go.jp/common/law/guide/kinyushohin/


  • 外国人技能実習生等受入企業緊急支援事業補助金

    福岡県が、技能実習生、特定技能を受け入れている県内企業等向けに、海外から外国人技能実習生等を受け入れる際、国による新型コロナウイルス感染症に関する水際対策(公共交通機関不使用や宿泊施設等における待機)に対応するために負担する経費について、補助を行います。

    詳しくは、下記ホームページご確認ください。

    https://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/gaikokujinhojyo.html


  • 建設業法施行規則改正①

    令和2年10月1日より改正建設業法施行規則が施行されました。主な改正点は以下のとおりです。

    一 主な改正の概要と審査

    1 経営業務管理責任の基準

    従来は、許可を受けようとする業種についての5年以上の経営業務の管理責任者としての経験を持った人が常勤役員等のうち1人は必ず必要でした。

    改正建設業法施行規則では、以下のように改められました。

    (1)5年以上の経営業務の管理責任者としての経験を有する常勤役員が最低1人いれば経営管理責任者の基準を満たすことは当然ですが、経営業務の経験について、経営経験許可業種ごとの区分を廃止し、全許可業種の経験として統一することになりました。

      例えば、建築一式の許可を取得しようとした場合、従来であれば建築一式の経営管理の経験が5年以上なければなりませんでした。したがって、1年につき1通づつの建築一式の契約書等を揃えて立証する必要がありました。

      改正後は、建築一式の経営管理の経験がなくとも建設業全般についての5年以上の経験があれば良いことになります。したがって、(土)、(と)、(電)等の契約書でも1年に付き1通ずつ契約書を揃えれば良いことになります。

    (2)法人などの組織の場合、経営業務管理責任者が存在しなくても、「組織」で適切な経営業務管理体制になっていれば許可の要件を満たすことなりました。すなわち、「常勤役員等」と「常勤役員等を直接補佐する者」の組み合わせによって許可が認められます。

    ① 「常勤役員等」

    建設業経営経験2年以上を含む、5年以上の「建設業のの役員等または役員等に次ぐ地位」を有する者、または、建設業経営経験2年以上を含む、5年以上の「建設業以外での役員等の経験」を有すも者であれば、「常勤役員等」の基準を満たします。

    ② 「常勤役員等を直接補佐する者」

    許可を取ろうとする会社で、「財務管理」「労務管理」「業務管理」の5年以上の業務経験がある者であれば、基準を満たします。