行政書士業務あれこれ 2  ~外国人との結婚には要注意~

1 まだ私が行政書士の登録をして間がない時のことです。先輩行政書士から外国人の相談が来たから手伝ってもらえないかと電話が来ました。その先輩は入管があまり得意ではなかったのです。それで入管法を勉強している私のところに相談が持ち込まれたのでした。

2 相談の内容はというと、在留期限が過ぎた外国人が日本人と結婚をしたので退去強制手続きの中で、在留特別許可をもらいたいというものでした。

在留期限を過ぎても日本に在留している外国人は不法滞在ということになり退去強制手続に入りますが、そのまま日本に在留させる相当な理由がある場合には在留特別許可が降り、そのまま日本に滞在することができることがあります。日本人と結婚している場合、在留特別許可がもらえることが多いため、在留期限ぎりぎりで日本人と駆け込み結婚するケースは結構あり、今回もそのようなケースでした。

ちなみにこの退去強制手続、何回か立ち会ったことはあるのですがあまり気持ちがいいものではありません。審理に必要な書類をあらかじめ用意して、入国管理局に今から出頭する旨電話で伝え同行することになります。そして、行政書士は弁護士と違い外国人の代理人になることはできないため、聞き取りの最中はずっと部屋の外で待つことになります。運が良ければその日のうちに仮放免許可が降り、外国人はいったん家に帰ることが許されたりもしますが、そうでない場合そのまま収容ということもあります。

話は本題に戻りますが、この時の相談内容はというと、在留期限が切れる当日に日本人と結婚し、その翌日に先輩行政書士のもとに来たというものでした。とりあえず最低限必要な書類のアドバイスをして、日本人と結婚したからといって自動的に在留特別許可が降りるわけではないことや、質問には正直に答えるようにといったアドバイスをして入管に出頭するように言いました。次の日に入管に出頭したようですが、先輩行政書士曰くどうも様子がおかしいと、なんでか知らないけどとても我々に対して怒ってるという話でした。結局その後この案件は我々ではなく別の方にお願いしたようです。

後から先輩に詳しく事情を聴くと、結婚した日本人はその外国人から日本人と結婚したら在留特別許可が降りるようなことを言われていて、さらに別な方から簡単に許可が降りるよということを言われていたそうなのです。しかもその相談をした別の人というのが無資格者で経験もない人。その人に〇十万という我々が提示した金額よりも高いお金を支払いお願いしていたそうです。その後、結局在留特別許可は認められずにその外国人は退去強制になったことを聞きました。

かわいそうなのは、その結婚をした日本人です。その後配偶者となったその外国人と連絡が取れなくなり離婚ができないので一生再婚できないことになったのです。こればかりは本人の責任ですので仕方がないですが、なんとも後味の悪い結末となりました。

3 外国人との結婚にはいろいろとリスクがあります。

例えば、サウジアラビア人女性が結婚するのには、サウジアラビアの法律で王族の許可が必要だったりします。では王族の許可をもらわずに外国で結婚したらどうなるのか?最悪処刑されることもあるそうです。過去にはそういうケースもあります。

また、多重婚が認められる国の人と結婚した場合には、いつの間にか本国に別の奥さんと子供が居て驚くというようなことが往々にしてあります。離婚を切り出され、日本人と離婚をした後で本国から奥さんを呼びたいというような相談を受けることもあります。

入管はこういったケースをよく知っているので偽装婚が疑われるケースの場合、徹底的に調べます。我々行政書士としては偽装婚ではないということを書類でもって証明していくことになります。


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